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使うほどに愛着が深まる、美しき鍋。

両手鍋
HALムスイ(ハルムスイ)

1万円超えの鍋。自炊はするけれど、一人暮らしの私には正直ちょっと高い…。
そもそも探していたのは「調理してそのまま保存できる鍋」。
(週末にカレーを作って、数日かけて食べることが多いので)

目的からはやや外れていたけれど、悩みに悩んで、結局購入。

なんとなく初めから買うことが決まっていた気がする。

これが一目惚れというやつかもしれない。

届いたときの第一印象は——
「あれ? ピカピカすぎて、なんだか安っぽい?」

でも、いざ使い始めてみると、印象はがらりと変わった。

最初に作ったのは、いつもの牛すじカレー。
「無水鍋」ではあるものの、牛すじの煮汁を使いたかったので、普通に水を投入。
しかも下茹で済みだったため、「火の通りが早い!」という感動は特になし…。
けれど、長時間加熱しても焦げつきにくく、コトコト煮ている佇まいがなんだかかっこいい。
ツルッと汚れが落ちるわけではないけれど、ごしごし擦る必要もない。

すっきり洗いあがるのが気持ちいい。

翌朝、さっそくご飯を炊いてみた。

恥ずかしながら雑な性格なのでカレーを作るのに使ったシリコンのへらはいつもちょっと匂い残りがある。
カレーの直後の白米はさすがにカレー風味になっちゃうかな、まあ食べるの自分だしいいかと思って炊飯。しかし、心配していたカレーの匂いはまったくなし。
それどころか、そのご飯が最高だった。

普段は土鍋炊飯派の私。正直、土鍋には敵わないだろうと思っていたけれど、
ふたを開けた瞬間、思わず息をのんだ。
ふっくらと粒が立ち、つやつやと光る銀シャリ。
立ち上る湯気の中でキラキラと輝くお米に、胸がすっと軽くなるような感動があった。
(あの瞬間は写真に残しておけばよかった…)

ごはんもこびりつかず、洗うのも本当にラク。
朝ごはんを炊いて、丁寧に鍋を洗っていると、
なんだかとても豊かな気持ちになる。ピカピカに磨きすぎてうっかり会社に遅刻しそうに。

その後も、野菜スープやスンドゥブなど、今のところは普通の鍋料理に活躍中。
使い込むほどにピカピカだった表面は落ち着きを見せ、
かわりにやわらかな艶が出てきた。

——これが、「育てていく道具」ということか。

料理を重ねるごとに、少しずつ自分だけの鍋になっていく感覚。
初めて見たときには「安っぽい?」なんて思ってしまって、ごめんなさい。
今ではコンロの上で乾燥させている姿すら、絵になる。私の鍋になっていく感覚が

心地いい。
ただそこにあるだけで、料理上手になった気分にさせてくれる。

無水調理や揚げ物、炊き込みご飯も美味しくできるらしい。
蓋も鍋として使えるという。まだまだ試したいことは山ほどあるのに、
私の胃袋の容量が追いつかないのが、悔しいくらい。


日々の料理を、少しだけ丁寧に。
そんな気持ちにさせてくれる鍋に出会えたことは、暮らしの中の小さな幸せ。
これからも季節の料理とともに、この道具と時間を重ねていきたい。

作成日: 2025-06-16 12:14:33

更新日: 2025-06-16 12:14:33